弾性衝突

さて、実験の課題でこんなのが出ました。

問題

運動エネルギーEの粒子1(質量m1)が静止している粒子2(質量m2)に衝突し、弾性散乱の結果粒子1が散乱角θで散乱されたとき、散乱後の粒子1の運動エネルギーE'をE,m1,m2,θを用いて表せ

問題自体は、よくある弾性衝突の問題。跳ね返り係数が絡まないだけまだマシでしょうか。
さて、問題を図示してみると次のようになります。

黒いおおきな○が粒子1.
θは分かっていますが、φは良く分かりません。したがってこのφをθとm1,m2で表すことが目標となりそうです。
あ,軸は粒子1のもともとの進行方向をx軸に.そこから90度反時計周りに回転したのをy軸としましょう.
衝突前の粒子1の速さをv_{b}、衝突後の粒子1の速さをv_a,衝突後の粒子2の速さをVと置きます。
さて弾性衝突の仮定(運動量保存則)から,

m_1v_b= m_1v_a\cos(\pi-\theta) + m_2 V\cos{\phi}…(1)
0 = m_1v_a\sin(\pi-\theta) - m_2V\cos\phi…(2)

であり,もう一つ弾性衝突の仮定(エネルギーの保存則)から,

E^{\prime}=E-\frac{1}{2}m_2V^{2}…(3)

です.でまぁ,機械的に(1)×\sin\theta-(2)×\cos\thetaしてやると,
V=\frac{m_1v_b\sin\theta}{m_2\sin(\theta-\phi)}
が出てきますから,(3)に突っ込めば

E^{\prime}=E-\frac{m_1\sin^{2}\theta}{m_2\sin^{2}(\theta-\phi)}E
すなわち
\frac{E^{\prime}}{E}=1-\frac{m_1\sin^{2}\theta}{m_2\sin^{2}(\theta-\phi)}…(4)
が成り立ちます.

でまぁここでくじけずに今度は(1)×\sin\phi+(2)×\cos\phiをしてみると,
v_a=v_b\frac{\sin\phi}{\sin(\theta-\phi)}
が得られますから,
\frac{E^{\prime}}{E}=\frac{\frac{1}{2}mv^{2}_a}{\frac{1}{2}mv^{2}_b}==\frac{\frac{1}{2}mv^{2}_b}{\frac{1}{2}mv^{2}_b}\left(\frac{\sin\phi}{\sin(\theta-\phi)}\right)^{2}=\left(\frac{\sin\phi}{\sin(\theta-\phi)}\right)^{2}

でこれを(4)に代入すると,
\left(\frac{\sin\phi}{\sin(\theta-\phi)}\right)^{2}=1-\frac{m_1\sin^{2}\theta}{m_2\sin^{2}(\theta-\phi)}
から頑張って計算すると(笑),(倍角,半角公式ぐらいしか使いません)
\frac{m_1}{m_2}=\frac{\sin(\theta-2\phi)}{\sin\theta}
が得られます.



で,どうせ衝突された粒子の方が圧倒的に重いと仮定すると[tex:m_1<