法政大学 経済学部経済学科(通信)で学んだこと(2018-2020)
2018年秋からここ2年ほど、法政大学で通信ではあるものの経済学を学ばせていただいていましたが、そろそろ単位もけっこう集まってきたなぁ、ということで、思い出を公開。
いずれもシラバス等で公開されている情報だと思いますけど、問題あれば消します。
しかし、色々学んだなぁ。
科目名 | 単位取得年 | 思い出 |
統計学A | 2018 | 統計用ミクロデータを意識。 |
統計学B | 2019 | IV類計算は実際行ってみると面白い。統計A,Bともにレポートはフリーダムにやらせてもらいました。 |
経済史A | 2019 | サプライサイド経済学について。マクロ経済学事始め的な。 |
経済史B | 2019 | 江戸から明治にかけての経済変容について。 |
簿記1 | 2019 | 簿記の初めの第一歩。 |
簿記2 | 2019 | 簡単なPL,BSが書けることを目標。簿記3級くらい。 |
簿記3 | 2020 | 幅広な論点を網羅。簿記2級くらい。 |
簿記4 | 2020 | 簿記1級の個別論点をつらつらと。ヘッジ会計・為替までの道のりが果てしなくながーいが、そこを乗り越えれば楽になるか?。 |
財政学A | 2019 | 社会的厚生や弾力性を用いて、消費税や付加価値税などを理解。日本の税体系の理解も。 |
財政学B | 2019 | 1980年代くらいから現代まで日本の財政について幅広に。先生が元省庁の方だったので時事問題への評価が面白く。 |
ミクロA | 2019 | 金融のはじまりから初歩的なミクロのお話を。需給均衡やコストプッシュインフレなどがどう導かれるのか。 |
ミクロB | 2019 | 独占が生じる場合のミクロなお話を。ミクロA,Bは実際の数値を入れて計算すると面白かった思い出が。 |
マクロB | 2019 | 1945年以降のマクロ経済のお話。オーバーシュートなども出てきたはず。ニュークラシカルとか期待的合理仮説とか。 |
金融論A | 2019 | ファイナンス的なお話を色々と。やっぱりファイナンスも具体的数値を入れると面白いよなー、と。 |
金融論B | 2020 | 証券会社や保険会社のお話。え?もう金商法の時代だよね?と思ったり。 |
日本経済論A | 2019 | ~明治あたりのお話。開港時の銀流出のお話が面白い。 |
日本経済論B | 2019 | 大正~の話。大正、昭和、平成いずれも興味深いトピックだらけで面白い。 |
国際経済論A | 2019 | デリバティブなお話がメイン?ただ、金融危機のお話なども多数。非常に面白かったし、クルーグマンの業績を知れたのは良い。 |
国際経済論B | 2019 | こちらは国際貿易。ゲーム理論とかってこういう風に使われているのね。 |
環境経済論A | 2019 | 環境に関するトピックを法制も含め網羅的に。網羅的な知識が得にくい分野なのでありがたかったです。 |
環境経済論B | 2019 | 逆有償もからめ静脈経済・動脈経済のお話。これも注目されてる割にまとまった知識は得難いのでありがたく。 |
開発経済入門A | 2020 | ほぼ差の差分析とリスク理論みたいなことになっちゃいましたが、確かに教科書を読もうとするとそのバックグラウンドは必要かも。 |
経営学総論1 | 2018 | マトリクスのお話など製品面からのお勉強。 |
経営学総論2 | 2019 | モチベーション管理など人事面のお勉強。財務諸表系も多少。 |
管理会計論1 | 2020 | 管理会計基本編。あー、そういうことなのね、ということも多々。 |
管理会計論2 | 2020 | 管理会計応用編。ROICやバランストコアカードはためになりました。 |
経済地理 | 2020 | クリスタラーみたいな理論的なお話と実際の産業集積のお話の意識。九州は面白いな、と思いました。 |
憲法 | 2019 | 言わずもがな。 |
経済学特講 | 2019 | マクロ経済学の道具立てのお話。面白い。 |
経済学特講 | 2020 | 戦後史+経済学的な背景について。面白い。 |
演習 | 2019 | 貿易のプラクティスについて。勉強になりました。 |
会計学入門1 | 2019 | 簿記3級を取ってみたはいいけど、どう解釈すんねん、という後のネクストステップで。 |
会計学入門2 | 2019 | 財務諸表分析の幕開け的な。諸表の要素を網羅的に解説いただき勉強になりました。あと連結会計も。 |
現代ファイナンスA | 2019 | ROEやgやrの「読み方」について、ひじょーに勉強になりました。この時の勉強が、PERやEBITDAなどの解釈に役立ってます。 |
現代ファイナンスB | 2020 | デリバティブのオプションなどについて。コールとかプットとかを「組み合わせる」ということがしっくり来たのが良かったです。 |
労働経済論A | 2019 | M字カーブのような有名トピックから、学歴の選択などまで幅広に。面白かったです。 |
労働経済論B | 2019 | 特に学歴のシグナリング理論と人的資本論についてが有益でした。A、B合わせて労働経済のトピックは網羅的な気が。 |
国際法各論 | 2020 | 前の大学で国際法を学び損ねていたので。北極・南極などなるほどなー、と思うこと多数でした。 |
マーケティング論1 | 2020 | 色々な企業の戦略が良く分かりました。面白い。 |
税務会計1 | 2020 | 税務について、初歩の初歩だと思うのですが、財務会計とこんなに差が出るのか―と驚きです。 |
スタートアップを知るために読んでいる本
スタートアップを知るために読んでいる本
ファイナンスの基礎(会計、会社法)をある程度分かっている人向けに、ベンチャーとして企業する場合のトラップ回避法が書かれている。企業する前に読むと良いのではないだろうか。
上記の「起業のファイナンス」の続編で、より詳しく優先株や転換社債、Convertible Noteの話が載っている。ただ、この辺りの話を読んでいると、J-Kissなどが最近出てきているのを見ると、若干、情報として古めか、という印象を受ける。
ユーグレナのお話。起業家のバイタリティーを知ることができた。
メルカリのお話。これくらいの紆余曲折を見ていると、上手くいっているように見えるスタートアップもやはり大変なんだなぁ、と。このスピード感が維持できていなければ、どうなっていたか分からない、というお話が印象的。
法務から見た中小企業買収のお話。ファイナンス面が分かっている人が見るとけっこう面白いかもしれないし、「何のためにそのファイナンスをするのか」という辺りもフォローアップされていてよい。個人的にはタームシートあたりの法務と現場の乖離は絶対あるよなー、という納得があった。
逆に機関投資家から見たときに、各証券はどう見えているんだろう、ということを想像するときに役に立った。初めに買ったモチベーションは、DCFとかデリバリティブ評価とか、プッシュプルとか、イエンセンのαとかその辺りの話のフォローアップだったがが、まさかこういう所で役に立つとは。ただ、やはりPEとかその辺りの定性的な話はちょっと古いのかも知れない。
これはスタートアップとは若干外れるかもだが、新産業ということでつらつらと読んでいた。スタートアップのような若い業界だからこそ、訴えかける、ということが必要になるのかも?
この本は非常に良かった。近年の評価額バブルとSUのガバナンス、そういった多くのVC・投資家が感じている違和感の一端がつかめる。また、アメリカのPE・VC・機関投資家のプレゼンスがよくわかる。
会計の本
会計を知るために読んでいた本をツラツラと。
漫画で分かるシリーズに頼るのはあまりよくないとは思いながら、だって分かりやすいんだもーん、ということで読んでいた。ただ、工業簿記・連結会計は違う本も参考にした方がよいと思う。
「原価計算」という科目、かなり平たく言えば簿記2級の工業簿記のことである。(あえて、誤解を招きそうなことを言っている。)具体例が載っているのが良いが、計算問題の全ての答えが載っているわけでもないのが珠に瑕か。
会計の勘定科目や考え方が分かりやすく載っているので、財務会計や財務諸表分析に入る前に読めば良いと思う。簿記に何となく慣れてきた、簿記3級を取ったはいいが、結局これ何やってるの?という時に役に立つ。
会計の一般的な話について網羅的に掲載されており、リファレンスとして非常に使いやすい。「保証債務って、偶発債務の仕訳切るんだっけ?」みたいな疑問にもすらっと答えてくれる。
管理会計について勉強してるときに読んでいた。といっても、原価計算から飛び立って管理会計論に入るから、ダイレクトに簿記に役立つわけではない。組織として管理会計論に取り組むときに読んでおくとよいのかもしれないが、おそらくこれでもまだ実務としては足りないかもしれない。(どんな本でも実務に足りない、というのはそうではある。)
慣れるしかないよなー、と思ったりするが、会計基準にコミットしていく内容っぽいのもかなりあるので、レベル感的にこの辺りまで来るとかみ砕いていくのが大変になっていく気がする。
夜中に文章を書く自由
2日連続のブログ更新ということで、「おい、お前どうしたんだ。そんなキャラじゃないだろう」という声も聞こえてきそうだが、そんなことは知らない、とムフフなブログ更新である。
大学時代は夜中の2時だろうが4時だろうが、自由に文章を書いていたけども、働き始めるとそんなに「文章を書きたい!」と思うことはなくなり、大体は「はよ寝たい」とベッドに倒れこむことになる。夜中の2時に文章を書きたい!と思うこと自体が贅沢品の一種なのではなかろうか、と思う次第。(し、コーヒー片手に実際に書けるのは素晴らしい。)
「ブルーピリオド」も最近評判の良い漫画で、つい1巻から通して読んでしまう。受験にせよ、何らかの試験にせよ、まっとうに挑むのも人生なら、脇道から進むのも人生で、この作品の主人公のようなまっとうな人生を歩むのも楽しそうだが、その割に繊細なところ苦労しそうだよなー、と思ったりもする。
海野十三も久しぶりに読んで「特許多腕人間方式」をフフと笑いながら読んだりしている。旧法時代の特許運用が見られて面白い。この話だと出願と譲渡だけだが、真面目に侵害訴訟編も書くと池井戸作品になりそうである。
普段2時まで起きているときなんて、「はよ寝な」という意識が先にたってのんべんだらりと文章なんて書けないし、この夜更かしのツケは体内時計を狂わされた明後日の自分が今の自分を死ぬほど恨むのだろう、と思ったりするけど、ちょうど緊急地震速報が鳴ったから、結論として変わらずだな、と思ったりする。人生こういう帳尻合わせがところどころに起こったりする。不思議なものだ。
去年の今頃は、GW明けまでに6本レポートを書かなければいけないことに、GW初めに気付くという事態が起こり、半泣きになりながら必死にレポートを書いていた。今年は3本だけ、しかも去年の経験を活かしGW当初にさっと書いているため少し余裕がある。まぁ普段の生活が去年の5倍増しくらいで忙しいので、その貯金も意味があるか分からないが。
来年の今頃もこれくらい気持ちの余裕があればいいのだが。まぁ来年のことなんて誰も分からないし、予測はひじょ~~に難しい。とりあえずは、夏まで頑張りたい。夜中に書く文章なんて、起きて見直すとあいたたた、となるものだが、そういうことが出来る贅沢を今の内に味わっておきたい。
「バーナード嬢曰く」と、浅野いにおと、やり残したことと
Twitterでもつらつらと書いたのだが、最近「バーナード嬢曰く」が面白い。1~2巻の頃は横目で眺めているだけだったのだが、3巻あたりからヒットすることが増え始め、最近はエモエモのエモだな~、と思いながら読んでいる。
なんで最近、こんなに個人的にツボっているのか、と思ったりしていたけど、個人的には作者のエッセイが心にあたったみたいだ。人生を長々と過ごしてきた人間にしか書けないだろうな、と思う淡々とした文章を書かれる。
まずエッセイを読んで、その後に漫画を読みたい、と思った漫画は久しぶりだし、作者もそのような読まれ方は想定していないだろう。そんなことを思いながら、この文章も書いている。
個人的な話になるが、大学生の頃は時々煙草を吸っていた。ぼんやりと朝焼けを眺めながら、自分の人生、良いことなんぞあるのだろうか、ということを考えていたりもした。当時読んでいたのは浅野いにおで、自分はもっと気怠い空気感で、ただ、今よりはもう少し自由だったと思う。
「バーナード嬢曰く」の1巻も本屋で発売当初に買っていた記憶があるから、大体そんな感じの時に読んでいたのだと思う。当時は許せないことが多かった。すべきだ、と、しなければならない、に挟まれながら、やりたいことを探していたのだと思う。
2019年くらいからやりたいことは大体やったな、というのが口癖ではあるけど、生きていると「あ、実はこれもやりたかったのか」と気付くことも多い。一方で、時間は有限で、色んな制約条件に気付き始めるのも、今ぐらいの年齢なのかと思う。
やらなければいけないことなんて、何一つとしてないんだ、と気付くのもこの頃。逆に、何をやりたいかで決めないと、人生の残り時間なんてほとんど残っていないじゃない。
「読まないといけない本」なんてこの世界には一冊もないが、それでもKindleに積読は溜まっていくのである。自分の人生本当にこれでいいのか…!?と思ったりもするが、「…!?」を付けられるだけ、「バーナード嬢」1巻に出会った頃に比べれば何かを手に入れ、余裕ができたのだろう。せめて、その手に入れたものは大事にしたい。
経済史の本
メモ代わりに。

戦後経済史 私たちはどこで間違えたのか (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 野口悠紀雄
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元大蔵省勤務の方が書いている戦後の経済史。戦後の経済体制は、1940年代のものをほぼ引き継いでいる、という視点が面白い。
平易な言葉で書かれていて読みやすい。経済史の「芦部憲法」のような感じで読める。
もう少し詳細な日本の経済史について書いている。特に、明治~大戦期はデータも豊富にあり参考になった。
かなりアカデミックにアドバンスな内容。ただ、これもデータが豊富で読みやすい。開港時の銀貨流出についてはこの本を参考にした。
他の経済史ではフォローが薄い現代の経済史について、かなり丁寧に記載されている。1970年~現代の知識のフォローアップによい。
技術的発展という観点から書かれている日本経済史。どことなくニュークラシカル風味を感じる?
元経企庁の方が書いている年金の今後について。計算例が多く、現制度のウィークポイントも分かりやすい。労働力に帰結するかな、という印象。
環境経済学の基本的な考え方であるグッズとバッズについて綺麗にまとめられている本。非常に読みやすく、リターナブル瓶や古紙といった身近なリサイクル品について実例を基に論じられている点も良い。
トラベルコスト法など、環境経済を考える2000年代くらいの手法が網羅されている本。最近だと上記の「バッズとグッズ」の方が流行っている印象。
歴史の話と絡めながら世界の経済史のoutlineが分かりやすく書かれている。あまり詳細は無いが、中世あたりも詳しく書かれているのが良い。
ノーベル賞受賞者の本。途上国の人たちは非常に合理的であるがゆえに、選択肢の少なさのために、一見not make senseな行動を取るしかない、という示唆が見事。一例として、将来の保険として子供を見ざるを得ないが、先進国の人々は意識しない間に、多種多様な保険(健康保険、年金)や保険に頼らなくてよい環境(清浄な水等)を得ているのだ、というのは日本の日常生活でも意識したいところ。
経済の本 感想(その1)
経済学の本もつらつらと感想を書いたりしてみる。

経済政策を売り歩く人々―エコノミストのセンスとナンセンス (ちくま学芸文庫)
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ふーむ、というところもあるけど経済にそこまで踏み込んでいるわけではないのかな?戦後の世界各地域の経済政策を簡潔に。
非常に分かりやすく面白かった。

- 作者:N.グレゴリー マンキュー
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/09
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曲線のシフトが所与のものとして与えられているところが気になる人は↓を参考。曲線のシフトがどのように与えられるのか、というところを効用から丁寧に記述している。
Amazonでは評判が悪いのだけど、誤字脱字が多少あるとは言え、そこまで悪い本ではない気がしてて、世評を参考にする難しさを実感。

- 作者:N.グレゴリー マンキュー
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
ただ、古典派→ケインジアン→ニュークラシカルの流れや経済史(古典派→ケインジアン→ブレトンウッズ体制→スタグフレーション→プラザ合意→サプライサイド→二重の赤字)みたいな話はあまりフォローされていないので、その辺りをフォローしたければ他の本で補う必要がある、私はなぜこの本を買っていたのだろう?と思ったりしたが、答えは1回目の大学生活での教養課程で買ったからだよ、としか言いようがない。
ラグランジュの未定乗数法を色々な系に適用している。
理系だったらサラッと読めるが、系に適用する際にミクロ・マクロの基礎を少しは知っていないと(気持ちとして)辛い。