ISSとかでのプラズマ実験提案

高校生のとき,宇宙空間(ISSか何かだったと思う)で高校生が提案した実験をしてあげる,という企画があったのだけど無重力空間でのプラズマの挙動はわりと興味がある.

というのも,「やっぱり月に核融合装置はロマンだよねー」と言ったSF的(あるいは原子核工学技術反対派に対する政治的対処的)行動を取ろうとした場合,地球と大幅に異なった環境下でのプラズマ実験の積み重ねは必要不可欠だからだ.

宇宙プラズマの分野でアルベン波やダイナモといった大規模な動きというのは記述,確認されていると思う.実際,『The Physics of Plasmas』といった核融合向けプラズマ物理の入門書でも宇宙でのプラズマの挙動というのは,扱うスケールなどの相違点と,現象の相似性から取り上げられていたりする.

The Physics of Plasmas

The Physics of Plasmas

しかし,宇宙空間でのプラズマの人為的な加熱や宇宙プラズマとスケールの異なったプラズマの挙動というのは,これまで実験の主流ではなかった(そもそも地球上でさえ採算の取れる核融合発電は行われていないのだ).
例えば重力でも荷電粒子のドリフトには微小ながら影響を及ぼしている.核融合装置のような非常にエネルギーの大きな系の場合,重力による影響は微々たるものだとは推測されるけれども.これからもし核融合装置の活動範囲を宇宙に広げていくのであれば,徐々にでも確認していかなければいけない事柄だと思う.