「バーナード嬢曰く」と、浅野いにおと、やり残したことと

 Twitterでもつらつらと書いたのだが、最近「バーナード嬢曰く」が面白い。1~2巻の頃は横目で眺めているだけだったのだが、3巻あたりからヒットすることが増え始め、最近はエモエモのエモだな~、と思いながら読んでいる。 

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

 

 なんで最近、こんなに個人的にツボっているのか、と思ったりしていたけど、個人的には作者のエッセイが心にあたったみたいだ。人生を長々と過ごしてきた人間にしか書けないだろうな、と思う淡々とした文章を書かれる。

 

 まずエッセイを読んで、その後に漫画を読みたい、と思った漫画は久しぶりだし、作者もそのような読まれ方は想定していないだろう。そんなことを思いながら、この文章も書いている。

 

 個人的な話になるが、大学生の頃は時々煙草を吸っていた。ぼんやりと朝焼けを眺めながら、自分の人生、良いことなんぞあるのだろうか、ということを考えていたりもした。当時読んでいたのは浅野いにおで、自分はもっと気怠い空気感で、ただ、今よりはもう少し自由だったと思う。 

  「バーナード嬢曰く」の1巻も本屋で発売当初に買っていた記憶があるから、大体そんな感じの時に読んでいたのだと思う。当時は許せないことが多かった。すべきだ、と、しなければならない、に挟まれながら、やりたいことを探していたのだと思う。

 

 2019年くらいからやりたいことは大体やったな、というのが口癖ではあるけど、生きていると「あ、実はこれもやりたかったのか」と気付くことも多い。一方で、時間は有限で、色んな制約条件に気付き始めるのも、今ぐらいの年齢なのかと思う。

 

 やらなければいけないことなんて、何一つとしてないんだ、と気付くのもこの頃。逆に、何をやりたいかで決めないと、人生の残り時間なんてほとんど残っていないじゃない。

 「読まないといけない本」なんてこの世界には一冊もないが、それでもKindle積読は溜まっていくのである。自分の人生本当にこれでいいのか…!?と思ったりもするが、「…!?」を付けられるだけ、「バーナード嬢」1巻に出会った頃に比べれば何かを手に入れ、余裕ができたのだろう。せめて、その手に入れたものは大事にしたい。