経済史の本

 メモ代わりに。

 元大蔵省勤務の方が書いている戦後の経済史。戦後の経済体制は、1940年代のものをほぼ引き継いでいる、という視点が面白い。

日本経済史 (放送大学教材)

日本経済史 (放送大学教材)

 

 平易な言葉で書かれていて読みやすい。経済史の「芦部憲法」のような感じで読める。

概説日本経済史 近現代 第3版

概説日本経済史 近現代 第3版

 

もう少し詳細な日本の経済史について書いている。特に、明治~大戦期はデータも豊富にあり参考になった。

日本経済史 (Y21)

日本経済史 (Y21)

 

 かなりアカデミックにアドバンスな内容。ただ、これもデータが豊富で読みやすい。開港時の銀貨流出についてはこの本を参考にした。

新・日本経済入門

新・日本経済入門

 

 他の経済史ではフォローが薄い現代の経済史について、かなり丁寧に記載されている。1970年~現代の知識のフォローアップによい。

日本の経済発展

日本の経済発展

 

技術的発展という観点から書かれている日本経済史。どことなくニュークラシカル風味を感じる? 

年金「最終警告」 (講談社現代新書)

年金「最終警告」 (講談社現代新書)

  • 作者:島澤 諭
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 新書
 

 元経企庁の方が書いている年金の今後について。計算例が多く、現制度のウィークポイントも分かりやすい。労働力に帰結するかな、という印象。

 環境経済学の基本的な考え方であるグッズとバッズについて綺麗にまとめられている本。非常に読みやすく、リターナブル瓶や古紙といった身近なリサイクル品について実例を基に論じられている点も良い。

 トラベルコスト法など、環境経済を考える2000年代くらいの手法が網羅されている本。最近だと上記の「バッズとグッズ」の方が流行っている印象。 

世界経済の歴史―グローバル経済史入門―

世界経済の歴史―グローバル経済史入門―

  • 発売日: 2010/06/30
  • メディア: 単行本
 

 歴史の話と絡めながら世界の経済史のoutlineが分かりやすく書かれている。あまり詳細は無いが、中世あたりも詳しく書かれているのが良い。

 ノーベル賞受賞者の本。途上国の人たちは非常に合理的であるがゆえに、選択肢の少なさのために、一見not make senseな行動を取るしかない、という示唆が見事。一例として、将来の保険として子供を見ざるを得ないが、先進国の人々は意識しない間に、多種多様な保険(健康保険、年金)や保険に頼らなくてよい環境(清浄な水等)を得ているのだ、というのは日本の日常生活でも意識したいところ。