ザリスキ位相の強さ

というわけで、久しぶりに数学の話題です。今回はめったに見ることがないザリスキ位相について

まずはザリスキ位相の定義です。

\large C^{n} = \{ \large z=(z_{1},z_{2},...,z_{n};z_{i}\in\large C(1 \le i \le n))\}を考えます。
複素変数のn変数多項式
f(t) = f(t_{1},t_{2},...,t_{n})
の全体をC[t]と書きます。
C[t]の元f=f(t)の零点の全体、すなわち\{z \in C^{n};f(z)=0\}をZ(f)と書きます。
このとき
c=\{Z(f);f \in \large C[t]\cup\{\phi\}\cup\{\large X\}\}
とすると、cは閉集合としてC^{n}の中に位相を定めます。
これをザリスキ位相といいます。

実際に位相が入っているかどうか確認していきましょう。
(1)この集合の任意の合併は確かに元の集合に含まれています
(2)\large A ,\large B \in cを取ってくると、:\large A \cup \large B \in c
(2)について実際Z(f) \cup Z(g) = Z(fg)です。まずZ(f)から元zを取ってくると(fg)(z) = 0ですし(Z(g)についても同様)、逆にZ(fg)から元zを取ってくると、f(z)g(z) = 0なので等式は成り立ちます。
※fg(z) = f(z)g(z)に注意。f・g(z)ではないです。
(3)空集合、全集合はcupで定めています。 

さて次に位相の強弱です。

位相の強弱
def:ある位相Aが別の位相Bの真部分集合であるとき、AはBよりも真に弱い。部分集合であるときはAはBよりも弱い、という。

とします。要するに、大きな位相の方が強いわけです。
(強弱が定まらない位相同士もあることに注意)

で、次のステートメントです

ザリスキ位相cは標準位相\gammaより真に弱い